保護帽(ヘルメット)の規格、対応年数、点検ポイントです。
保護帽の規格
「現場で使用する保護帽は、飛来・落下による危険防止及び墜落による
危険防止の両方を防止できる保護帽を使用する。
また感電防止のために絶縁用を兼ねた製品もある」
【材料】
名称 | 材質等 |
---|---|
帽体 | 合成樹脂または金属 |
装着体のハンモック およびヘッドバンド |
合成樹脂、合成繊維または綿 |
アゴひも | 合成樹脂、合成繊維、綿または皮革 |
衝撃吸収ライナー | 発泡スチロールまたはこれと同等以上の 衝撃吸収性能を有するもの |
【構造】
飛来・落下による危険を防止するための保護帽は、
帽体、着装体及びアゴひもを有し、かつ、次の各号に適合するもので
なければならない
①装着体のヘッドバンドは、着用者の頭部に適合するように
調節することができること
②装着体の環ひもは、環の大きさを調節できないこと
③帽体と装着体のヘッドバンドとの間げきは5mm以上であること
墜落による危険を防止するための保護帽は、帽体、衝撃吸収ライナー
及びアゴひもを有し、
かつ、リベットその他の突起物が帽体の外面から6mm以上
突出していないものでなければならない
【表示】
保護帽は、見やすい箇所に以下の事項が表示されているものでなければならない。
1.製造者名
2.製造年月日
3.物体の飛来または落下のによる危険を防止するためのものであること、
または墜落による危険を防止するためのものであること
※ラベルが貼られていない保護帽は使用できません。
保護帽の使用上の注意事項
①頭によくあった保護帽を使用し、アゴひもは必ず正しく締めること
②一度でも大きな衝撃を受けた保護帽は、外観に損傷がなくても使用しないこと
③保護帽を改造あるいは加工したり、部品を取り除かないこと
(保護帽は各部品の全体のバランスで性能を発揮できるように設計されています。)
④保護帽の点検(20のチェックポイント)によって定期的に点検し、該当するものはすぐに交換すること
⑤保護帽は長期に渡り使用しないこと。帽体の材質がPC、PE、ABS等の
熱可塑性(ねつかそせい)樹脂性のものは3年以内、
FRP等の熱硬化性樹脂性のものは5年以内に交換すること
⑥着装体は1年位で交換すること。交換する時は、
同一メーカーの同一型式の部品を使用すること
電気用ヘルメットは感電を防ぐため、絶縁用となっています。
「電気用」とは、使用電圧7,000V以下で頭部感電による危険を
防止するためのものです。
電気用として使用されるヘルメットは、労働安全衛生規則で6ヶ月毎に
自主点検をするように規定されています。
耐電圧試験は、着装体を取り外して帽体のみで行います。
試験電圧は、水中で10,000Vの電圧を加え、1分間耐えることができるか確認します。
(試験方法については、JIS T 8131産業用安全帽、
JIS T8010 絶縁 保護具・防具類を参照してください。)
また、試験結果のデータは、3年間保管します。
保護帽の点検(20のチェックポイント)
保護帽を点検する時のチェックポイント20項目です。
当てはまる場合は、保護帽本体や部品を新しいものに交換しましょう。
【帽体(樹脂)】
①縁に欠損または亀裂があるもの
②衝撃の後があるもの
③すりきずが多くあるもの
④汚れがひどいもの
⑤新品の時に空いている穴以外の穴が空いているもの
⑥ガラス繊維が浮き出しているもの(FRP製)
⑦着装体取付部に亀裂があるもの
⑧変色がひどいもの
⑨帽体と着装体の取付部に破損、減失等があるもの
⑩変形しているもの
【着装体・アゴひも】
①使用者が改造したもの
②環ひもが伸びたり著しく汚れているもの
③縫い目がほつれているもの
④ヘッドバンドが損傷しているもの
⑤汗、油等によってひどく汚れているもの
⑥アゴひもが損傷したりひどく汚れているもの
⑦ハンモックが損傷しているもの
【衝撃吸収ライナー】
①熱、溶剤等によって変形しているもの
②ひどく汚れているもの
③傷、割れがひどいもの