電気設備の竣工検査の内容と項目です。
竣工検査以外でも様々な検査があります。
電気設備の竣工検査と手順
竣工検査とは、建物が完成し、施主に引き渡す前にすべての設備
の検査を行い、不具合などがないことを確認する検査です。
最終は施主の竣工検査ですが、その前に現場での自主検査を行い、
社内検査→元請けの検査→設計事務所の検査があります。
(請負体系により変わります。)
竣工検査は当然完成していなければなりません。
【内容】
①目視検査、外観検査
各設備の位置や個数、施工不備や汚れなどを検査します。
②機能試験
主に2次側の検査を行います。
・絶縁抵抗測定:回路の絶縁抵抗が規定値以上あるかを検査します。
・回路試験:照明、コンセントの回路が図面通りか検査します。
・コンセント電圧、極性試験:コンセントの電圧、極性が正常か検査します。
・テレビ設備:テレビの映像を検査します。
・電話設備:電話が正常に機能しているか検査します。
・LAN設備:LANケーブルのフルーク試験を行います。(LANケーブルは100mを超えないように配線します。)
・インターホン設備、呼び出し設備:通話等を検査します。
等、設置してある設備により異なります。
全数の機能試験か抜き打ちの検査かは、施主により違いますので、事前に確認します。
電気設備のその他の検査
①使用前自主検査
高圧受電の場合、受電前に自主検査を行います。
内容は、
・接地抵抗測定
・絶縁抵抗測定(高圧、低圧)
・継電器試験
・耐圧試験(高圧ケーブル、キュービクル)
受変電設備の検査が主ですが、使用前自主検査後の直近で受電をします。
受電するには、幹線ケーブルが分電盤、動力盤に接続している状態で
ないと間違えてブレーカーを投入した時に感電などの事故が起こる恐れが
あります。
②消防検査
所轄の消防署が消防設備について検査をします。
電気設備に関わる内容は
・自動火災報知設備(防火戸等も検査する)
・非常放送設備
・誘導灯
・非常コンセント
・火災通報装置
・キュービクル(変電設備)
・非常用発電機
・蓄電池設備
・総合連動試験
・(防火区画貫通処理)
等です。設置している設備により異なります。
消防検査は設置届を消防署に提出した後に検査を受けます。
その設置届を元に設置位置や機器の個数等を検査します。
電気設備の他に建築関係、設備関係の検査も同時に行いますので、
何班かに分かれて検査します。
防火区画貫通処理は消防署は管轄ではありませんが、検査します。
点検口から天井裏の防火区画の貫通処理を確認したり、EPS内の
ケーブルラックの貫通処理を検査します。
天井裏で近くに点検口が無く見えない場所はあらかじめ写真を撮って
おきます。
③建築主事検査
建築主事による検査です。
電気設備に関わる内容は
・防火区画貫通処理
・防火戸、防火シャッター
・非常照明
・雷保護設備(避雷針設備)
等です。設置している設備により異なります。
建築主事検査は消防検査の後に行うのが一般的です。
非常照明の検査はブレーカーをOFFにし、
非常照明が点灯するかを検査します。
検査前に非常照明の照度が規定値以上あるかを確認するため、
照度測定を行い、試験成績表を検査当日に用意しておきます。