非常照明の設置基準、バッテリー交換時期です。
非常照明とは
非常照明とは、映画館、病院、博物館、図書館、ホテル、
デパート、スーパーマーケット等の大人数が集まる場所で、
火災、停電が起きた時でも安全に避難できるように居室内や
通路に設置する照明器具です。
非常照明には、電池内蔵形と電源別置形があります。
電池内蔵形は非常照明本体にバッテリーが内蔵しているタイプで、
本体に電源を接続し、電源が切れれば自動でバッテリーに切り替わり
点灯します。
電源別置形は本体にバッテリーは内蔵しておらず、直流電源装置
を設置し、その装置から停電時は電源を供給し点灯します。
非常照明の設置基準
非常用の照明装置は、不特定多数の人々が利用する
特殊建築物および一定規模以上の建築物の居室、
採光上の無窓の居室などとその避難経路に設けるもので、
以下の表の場所で設置が義務づけられています。
対象建築物 |
---|
特種建築物 ・劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場 ・病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る) ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等 ・学校等、博物館、美術館、図書館 ・百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェ、ナイトクラブ、 バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、 物品販売業を営む店舗(床面積10m2以内のものを除く) |
階数が3以上で、延べ面積が500m2を超える建築物 |
延べ面積が1000m2を超える建築物 |
無窓の居室を有する建築物 |
・直接照明で、床面において水平面照度でハロゲン、白熱灯は1Lx、
LED、蛍光灯は2Lx以上あること。(地下街の地下道は10Lx以上)
・常用電源が断たれた時、予備電源により即点灯する光源が有ること。
・周囲温度140℃の状態で30分間点灯を維持できるもの
・照明カバー、その他付属するものを含み、
主要な部品は不燃材料で製作する。または覆うこと。
・停電後充電を行うことなく30分間以上の放電に耐えれれるもの。
非常照明の配置
非常照明の設置基準の見直し
非常照明の設置基準を合理化する告示が改正されました。
【改正内容】
「規制の適用を受けない居室」として、次の居室を加えることになりました。
・床面積が30m2以下の居室で、地上への出口を有するもの
・床面積が30m2以下の居室で、地上まで通ずる部分が
次の①または②に該当するもの
①非常用の照明装置が設けられたもの
②採光上有効に直接外気に開放されたもの
(例)非常灯が設置している廊下等に面している居室の床面積が
30m2以下の場合は非常照明の設置が免除されます。
非常照明のLED化
非常用光源の建設省告示が改正され、国土交通大臣認定なしで、
JIL評定品としてLEDの商品化が可能になりました。
非常照明もLED化しています。LED化するメリットは、
専用型であれば、
・器具の埋込深さが浅くなった。
・器具の重量が軽くなった。
・電圧がフリー(100V~242V)
一般照明兼用型であれば
・省エネ(電気料金が安くなる)
・電圧がフリー(100V~242V)
非常照明のバッテリー交換頻度
非常照明にはバッテリー内蔵タイプとバッテリー別置タイプがあります。
バッテリーには寿命があり、定期的に交換しなければなりません。
非常照明に内蔵されているバッテリーの交換時期は4~6年です。
バッテリー別置タイプの直流電源装置のバッテリーは機種により
違いますので、バッテリーの型番を調べて確認してください。
非常照明本体の交換時期は8~10年となっています。
非常灯の配線
非常灯の配線は、バッテリー内蔵タイプとバッテリー別置タイプで違います。
バッテリー内蔵タイプは、一般のケーブルで配線します。
ケーブルはFケーブル、CVケーブルを使用します。
バッテリーを内蔵していますので、電源を供給している配線が火災などで
断線しても点灯します。
バッテリー別置タイプは、直流電源装置のバッテリーから非常電源を
供給しています。
火災などで、配線が断線すると非常灯は点灯しませんので、
耐火ケーブルはFPケーブルを使用します。
電線管に入れる必要な無く、天井内ころがし配線で問題ありません。