モーターの入力はモーターの出力とイコールではありません。
損失が必ず発生します。
モーターの損失とは
モーターの損失とは、モーターの入力(消費電力)から出力を引いたものです。
モーターの出力≠モーターの入力ということなのです。
モータの損失は1つではありません。大きく分けて「無負荷損」と「負荷損」の2つに分類することができます。
さらにその中でも2つづつに分かれます。
【無負荷損】
・鉄損:鉄心内の磁界が変化することにより発生するもので磁束密度と電源周波数に依存します。
・機械損:軸受摩擦損、冷却ファンの風損からなり、回転速度に依存します。
【負荷損】
・銅損:抵抗を持つ導線(銅、アルミ)に電流が流れることにより発生する損失で、電流値と抵抗値に依存します。
・漂遊負荷損(ひょうゆうふかそん): 正確に算出することが困難なわずかな損失で、
導線や鉄心内部にうず電流が流れることによる損失です。
鉄損、機械損は負荷に関係なく一定に損失が出るので、固定損または無負荷損と言います。
銅損、 漂遊負荷損は、負荷電流に応じて変化するので負荷損と言います。
モータの損失と効率の関係
モーターの効率は入力に対する出力の比で、式にすると、
効率=出力/入力
となります。
モーターの効率が最大になるときは、無負荷損=負荷損になった時です。
損失が増加すると、モーターの温度上昇の原因となります。
温度上昇はモーターの絶縁物の熱劣化を促進させるので、寿命が短くなります。