フルハーネス安全帯が義務化されます

建設現場での高所からの墜落、転落による労働災害は、
全体の4割以上を占め、問題になっています。
この対策として、フルハーネス安全帯が
2022年1月から義務化されます。

義務化により今後、フルハーネス現場が増えていきます。
現場がフルハーネスが必要だった場合、特別教育をうけ、
フルハーネスを装着して仕事をしなければならないが、
持ってなければ仕事ができなくなります。
特別教育は、申し込んでから教育を受けるまで、時間がかかりますよ。




フルハーネス安全帯とは


平成30年6月に労働安全衛生法施行令が一部改正され、
胴ベルト型(U字つりを除く)安全帯
及びフルハーネス型安全帯を指す用語として、
「安全帯」が「墜落制止用器具」に改められました。

これまでは、安全帯といえば胴ベルト型が一般的でしたが、
胴ベルト型は着用者の身体を胴部だけで
支持する構造であるため、墜落制止時の衝撃による
内蔵の損傷等や落下した状態で、救出されるまでの
間に腹部等の圧迫による危険性があります。

国際的には墜落制止用の保護具として、胴ベルト型は使用されていなく、
フルハーネス型のみが規格化されています。

フルハーネス型の特別教育

特別教育の対象となる作業は、
・高さが2m以上の箇所であって、作業床を設けることが困難なところにおいて、
フルハーネス型を用いて作業を行う場合です。

作業床とは、どのようなものかというと。
厚生労働省によると
「法令上具体的な定義はありませんが、
一般的には、足場の作業床、機械の点検台 など作業のために設けられた床を指します。
また、ビルの屋上、橋梁の床板など、平面的な広がりを持った建築物の一部分で あって、
通常その上で労働者が作業することが予定されているものについても作業床となると考えられます。
具体的な判断は、所轄の労働基準監督署にご相談くださ い。」
とあります。

なので足場上や高所作業車上での作業は特別教育の対象にはならないということです。
(6.75mを超える場合は作業床上でもフルハーネス型を使用する)

では特別教育の対象となる具体的な作業例は
①建築鉄骨の組立て、解体または変更作業
②柱上作業(電気、通信柱等)
③木造家屋等低層住宅の作業
(1)急勾配の屋根面または滑りやすい材料の屋根下地で足場を設けられない場合
(2)梁、母屋、桁上、垂木上での作業
(3)作業床を設けることができない一側足場(抱き足場)での作業
④足場の組立て、解体または変更作業で、つり棚足場の足場板の設置または撤去作業や、
単管上での作業床の設置または撤去作業
⑤鉄筋コンクリート造解体作業で、梁上から鉄筋等を切断する作業
⑥スレート屋根上作業で踏み抜きにより墜落防止のために、歩み板を設置
または撤去する作業
⑦送電線架線作業

義務化、いつから


2022年1月2日から完全に移行します。

フルハーネス型の種類

フルハーネス型のショックアブソーバには1種と2種の2種類あります。

種類 自由落下距離 衝撃荷重 最大の伸び
第1種 1.8m 4.0kN以下 1.2m以下
第2種 4.0m 6.0kN以下 1.75m以下

腰より高い位置にフックを掛けて使用する場合は、第1種、
足元にフックを掛ける場合は第2種を選びます。

ランヤードは、第1種ショックアブソーバのものをタイプ1、
第2種ショックアブソーバのものをタイプ2と言います。

腿ベルトの種類

①V型腿ベルト

腿ベルトが股関節に沿ってV字型で、動きやすくなっています。
墜落制止時にベルトがずり上がりにくく、身体保持の安定性に
優れています。欧米で多いタイプです。

②水平型腿ベルト

腿部が左右、独立しているので拘束感が少なく動きやすいです。
腿ベルトのあそびが大きすぎると、墜落制止時に胸ベルトがずり上がる
ことがあります。

腿ベルトは、ワンタッチ式バックルの方が断然装着しやすいので
おすすめです。

作業ベルト

フルハーネス型には、作業ベルト付きタイプがあります。
作業ベルトに腰道具を装着してできますので、電工にはこのタイプがあすすめです。

ランヤード

フルハーネス型に用いるランヤードは、必ず墜落制止時に身体に加わる衝撃荷重
を吸収軽減するためのショックアブソーバ機能が搭載されています。

種類は4種類あります。

①ロープ式

主に三つ打ちロープで作られいて、ショックアブソーバが付いています。
強度及び耐久性に優れています。

②ストラップ式

細いベルト状のストラップにフックとカラビナが両端に付いています。
ストラップ自体にショックアブソーバ機能を内蔵しているタイプもあります。
織構成のストラップのため、キンクができにくく取扱性が良いのが特徴です。

③巻取り式

高張力繊維のベルトを使用したストラップを巻取り器内に巻き込まれるタイプです。
そのため、移動時にランヤードが構造物等に引っ掛かりにくい特徴があります。
墜落時に巻取り器に搭載しているロック機能で繰り出しが停止し、
落下距離が少ないので、地面に接触する恐れのある高さの場合の作業にも使用できます。
巻取り式を2つ付けるとけっこう重くなります。

④伸縮式

未使用時は縮んでいるのでランヤードの垂れ下がりを少なくしています。
巻取り式に比べると軽いのが特徴です。

フルハーネス型の装着方法

①肩ベルト部に腕を通す

②胸ベルトを締める

③胴部分にある作業ベルトを締める

④腿ベルトを腿に締める(両腿)

⑤肩ベルトの長さを調節する

⑥腿ベルトの長さを調節する

⑦胸ベルトの長さを調整する

フルハーネス型の装着時の注意事項

・ベルトの締めがあまいと、墜落制止時に大きな衝撃荷重が加わり、
フルハーネスの胸ベルトが上にせり上がり首を損傷したり、
フルハーネスから身体が抜けてケガをすることがあります。
また、作業時に突起物などに緩んだベルトが引っかかり、転倒することも
ありえます。ですから、フルハーネス型の装着には、必ず身体に合わせて
ベルトの長さを調整し、緩まないようにすることが大切です。

・装着後、地上で各所に負荷をかけ、フルハーネスに異常がないかどうか
点検します。

・フルハーネス型は、体重を預けないで使用する設計になっています。
体重をかけると、フルハーネスが損傷して強度不足になったり、
バランスを崩して落下する危険性があります。

電気工事におすすめのフルハーネス

選ぶポイントは、
①装着しやすいか
②重さ
です。

フルハーネスは胴ベルト型安全帯にくらべると装着しにくいです。
胸ベルト1箇所、腿ベルト2箇所にバックルがあり、装着時には
毎回はめなければなりませんので、バックルはワンタッチ式が
おすすめです。

パススルーバックルは装着しにくいですが、軽いのがメリットです。

フルハーネスはやはり装着してみると重くて動きづらいです。
フルハーネスのみなら、まだそうでもないですが、
これに巻き取り式のランヤードを2つ装着すると、
ズッシリと重みを感じます。(2丁掛けのため)

また、フルハーネスだけでも重いうえに、腰道具を付けると更に重くなります。

電気工事におすすめは、巻取り式のランヤードです。

なぜ、巻取り式が良いかというと、電気工事の場合、あまり高所作業は無く、
主に2m前後の高さの立ち馬や、脚立上の作業が多いです。

この高さでロープ式、ストラップ式、伸縮式ランヤードを使用すると、
地面に落下しても効果がありません。

その点、巻取り式を2丁掛けすれば、ロックがかかり、効果があります。

コメントを残す