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シーケンス制御の種類

シーケンス制御は理解するのが難しいのです。

シーケンス制御とは

シーケンス制御とは、
「あらかじめ定められた順序、
または論理にしたがって制御の
各段階を逐次進めていく制御」です。

例えば、家電が一連の作業を順番に
進めていくような制御や、
信号機のランプが一定時間で
切り換わるような制御がシーケンス制御です。

シーケンス制御の実際のシステムは、
命令用装置、制御用装置、検出用装置、
制御対象、電源用装置、
表示・警報用装置で構成されています。

制御対象とは、制御しようとする
機械を駆動する装置で、モータなどが使われます。

命令用装置は、操作者が制御システムに
始動や停止などの命令を与える装置で、
押しボタンスイッチなどの
命令用スイッチが使われます。

検出用装置は、制御対象の動作状態を
検出する装置で、位置を検出する
リミットスイッチや温度を検出する
温度スイッチなどの検出用スイッチが使われます。

これら命令用装置と検出用装置の
スイッチからの信号を受けて、
制御用装置が制御対象に直接的に
働きかけて動作させます。

制御用装置がシーケンス制御の中枢で、
この部分もスイッチの
組み合わせで構成されています。

電源用装置は、制御システムや制御対象を
動作させる電力を供給する装置で、
表示・警報用装置は、制御対象の状態や
異常を操作者に知らせる装置です。

シーケンス制御の種類

シーケンス制御システムでは、
様々なスイッチが使われるが、
中枢とも言える制御用装置に
使われるスイッチの種類
によってシーケンス制御を
分けることができます。

一般的には、有接点式、無接点式、プログラム式
の3種類に分けることができます。

有接点式シーケンス制御

有接点式は、文字通り接点を含む
シーケンス制御のことです。

接点とは、機械的に動作して電気回路を
開閉するスイッチのことで、
機械式接点とも言います。

有接点式シーケンス制御の制御用装置では、
機械式接点を内蔵した電磁リレーで
制御回路が構成されます。

リレーとは、電気信号により
動作させることができるスイッチのことで、
電磁リレーでは電磁石を使用して
接点の開閉を行います。

電磁リレーはメカニカルリレー、
有接点リレーなどと呼ばれ、
単にリレーと呼ばれることが多いです。

そのため、有接点式シーケンス制御は、
有接点リレーシーケンス制御や、
リレーシーケンス制御とも呼ばれます。

現在は電子機器の進化や低価格化により、
シーケンス制御はプログラム式が
主になっていますが、ノイズに強く、
高い電圧や大きな電流を使えるため、
有接点式シーケンス制御は広く使用されています。

特に電気工事においては、キュービクルや
動力制御盤などに使用されています。

無接点式シーケンス制御

無接点式シーケンス制御の制御用装置では、
トランジスタなどの半導体素子の
スイッチング作用を利用して制御回路を構成しています。

文字通り機械的な接点を使用していないので、
無接点式と呼ばれます。

このような電子回路によるリレーは、
半導体リレーや無接点リレーとも言うため、
無接点式シーケンス制御は、半導体リレーシーケンス制御
や無接点リレーシーケンス制御とも言います。

無接点式は、有接点式より動作速度が速く、
小形化できるなどの利点がありますが、
プログラム式が主になっているため、
有接点式と同様にあまり使用されなくなっています。

プログラム式シーケンス制御

プログラム式シーケンス制御は、
マイクロコンピュータ式シーケンス制御
とも呼ばれ、コンピュータのプログラム
によって制御回路が構成されています。

家電などの量産品の場合は、プログラムを
含めてマイクロコンピュータが1個のIC
に収められています。

工場の生産ラインのような場合は、
プログラマブルコントローラまたは、
プログラマブルロジックコントローラと
呼ばれる専用のマイクロコンピュータが
使用されます。

また製品名からシーケンサと
呼ばれることもあります。

プログラムを書き換えることで
制御内容を容易に変更することができるうえ、
無接点式同様のメリットがあります。

シーケンス制御の構成機器

リレーシーケンス制御のシステムは、
さまざまな装置によって構成されています。

使用される装置は、命令用装置、検出用装置、
制御用装置、制御対象、電源用装置、
表示・警報用装置に分類されます。

この中で、命令用装置、検出用装置、
制御用装置は接点を備えた装置であり、
これらの装置を組み合わせたものがシーケンス制御です。

命令用装置

命令用装置は、システムにスタートや停止などの命令をする装置です。

命令用スイッチとも呼ばれ、信号を発信する接点を装備しています。

例として、押しボタンスイッチや各種の切換スイッチなどがあります。

検出用装置

検出用装置は、制御の対象となる機械の状態を検出する装置で、
検出用スイッチやセンサなどがそうです。

検出対象には、物体の位置や、温度、明るさなどさまざまなものがあります。

例として、マイクロスイッチやリミットスイッチなどがあります。

制御用装置

制御用装置には、電気信号で開閉を行うことができる接点が使われます。

電磁リレーや、使用する電力が大きな制御対象の場合には電磁接触器が使用されます。

また、タイマーなどのように検出用装置と制御用装置の両方の機能を搭載した機器も
あります。

制御対象

制御対象は、制御用装置によって駆動するものです。

動力を発生する装置を駆動装置と呼びます。

モーターなどのように電気で動く駆動装置は、シーケンス制御の回路で制御することが
できます。

駆動装置の動力には、油圧や空気圧が使用されることがありますが、
このような油空圧機器も電気信号で制御することができます。

その他、機械の光源や熱源が制御対象になることもありますが、
すべてにおいて電気信号で制御可能なものが使用されます。

電源用装置

電源用装置は、制御回路や制御対象を動作させる電力を供給する装置です。

制御回路と制御対象に同じ電源が使用されることもありますが、
使用する電力が大きな制御対象の場合には違う電力が使われることもあります。

このような場合、制御対象の回路を主回路、その電源を主電源といい、
制御回路の電源を制御電源と呼びます。

表示・警報用装置

表示・警報用装置は、操作している状態や異常を表示と音で知らせる装置です。
表示灯の点灯と消灯、ブザーやベルの音で知らせる装置があります。

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