スリーブの施工方法と離隔距離です。
スリーブとは
スリーブとはコンクリートの壁、梁、床に電気配管、ケーブルを通すために
コンクリートに埋め込んでおく円形の筒、角形の枠のことを言います。
スリーブの種類
【紙スリーブ(紙ボイド管)】
紙ボイドを使用したスリーブで、壁や床に使用します。
最も安く、加工もしやすいが、コンクリート打設後に抜かなけらばならないため
めんどうです。
【ボイド管サイズ】
呼び内径(mm) | 呼び外径(mm) | 参考肉厚(mm) | 参考重量(kg/4m) |
---|---|---|---|
50 | 54 | 2.2 | 1.1 |
75 | 80 | 2.6 | 2 |
90 | 95 | 2.6 | 2.3 |
100 | 105 | 2.7 | 2.6 |
125 | 131 | 3.1 | 3.7 |
150 | 157 | 3.5 | 5.1 |
175 | 182 | 3.5 | 6 |
200 | 208 | 4 | 7.7 |
250 | 258 | 4.2 | 9.7 |
300 | 311 | 5.3 | 15 |
350 | 362 | 5.8 | 18 |
400 | 413 | 6.3 | 23 |
450 | 464 | 6.8 | 27 |
500 | 514 | 7.1 | 33 |
550 | 565 | 7.7 | 38 |
600 | 616 | 8 | 45 |
650 | 666 | 8 | 48 |
700 | 718 | 9 | 55 |
750 | 769 | 9.3 | 63 |
800 | 819 | 9.5 | 67 |
850 | 870 | 10.2 | 79 |
900 | 920 | 10.2 | 83 |
950 | 970 | 10.2 | 88 |
1000 | 1020 | 10.2 | 92 |
1100 | 1126 | 13 | 126 |
1200 | 1228 | 14 | 147 |
※外径100mm以上は補強が必要な場合が多いため、外径90mmを
使用するケースがあります。
【鋼製スリーブ】
ケーブルラック用(四角型)で壁や床の躯体を抜くときに良く使用します。
壁に取付ける場合は、ジャンカができないように中心に縦にスリーブを取付けます。
【塩ビ管スリーブ】
VE管、VU管などを使用したスリーブで、壁、梁などに使用します。
紙スリーブと違い、コンクリート打設後抜かなくて良いので、楽なのが良い点です。
【防水鋳鉄管】
鋳物で、地中引込で使用します。
管路口には防水装置が付いていて、ケーブルを通した後、
蓋をし、管口を止水します。
つば付とつば無しがあり、つば付は鋼製の輪がスリーブの外部
に付いていてスリーブの外側から水が浸入するのを防ぎます。
つば付スリーブ
SGP管につば(止水用)を付けたスリーブです。
地中梁の外部面、外壁に使用します。
鋼管スリーブ、塩ビスリーブにスパンシールを巻いて使用する
こともできます。
スパンシールは、非加硫ブチルゴム系のシール材で、
生コンクリートと接着反応を示し、躯体に追従し強力な止水効果があります。
スリーブ取付方法
紙スリーブ(紙ボイド)を壁に取付ける場合
①まず位置を施工図を見て墨出しする。
②スリーブを梁、壁に合わせ紙スリーブを切断し、ガムテープを両端に巻きます。
③鉄筋に全ネジボルトを結束しスリーブを固定できるようにします。
(鉄筋とスリーブのかぶりが取れないため、鉄筋に直接固定しないようにします。)
④全ネジにスリーブを結束線で固定します。
⑤スリーブサイズによって補強が必要です。ウェブレンを取付けたり、補強筋で補強します。
(補強は建築工事が一般的です。)
⑥紙スリーブはコンクリート打設し、型枠取外し後に取り除きます。
鋼製スリーブを梁に取付ける場合
①まず位置を施工図を見て墨出しする。
②梁を組んだら、スリーブを取付けます。(スリーブサイズによってウェブレンを入れる)
紙スリーブと違う点はコンクリート打設後、取外ししなくても良い点です。
スリーブ取付方法(地中梁)
地中梁に取付けるスリーブは、外壁部であれば、防水鋳鉄管または鋼管スリーブ
を使用します。
①捨てコンにスプレーなどで墨出しします。
②鉄筋は墨を出した部分は開口状態にしてくれます。(建築業者と事前に打ち合わせが必要です。)
③全ネジでスリーブを固定します。
④スリーブ廻りを補強します。(建築工事)
スリーブ取付方法(床)
※スリーブの取付の手順は、鉄筋工事の後か先は現場によって異なるので
建築業者と打ち合わせが必要です。
①まず位置を施工図を見て墨出しする。
②丸スリーブで紙製ならボイドストッピで床に固定し、鋼製スリーブ
なら取付け金具などをくぎやビスで固定します。
③スリーブサイズによって補強を行います。
スリーブの離隔
梁にスリーブを設置するときは原則として以下によるが、現場によって条件が
異なるため、構造図に記載があればそれに合わせる。また建築設計にスリーブ
図を提出し確認する。
・スリーブの径は、梁せいの1/3以下とする。
・スリーブの上下方向の位置は梁せい中心付近とし、スリーブの下端から梁下端まで
の1/3D以内にはスリーブを設置しない。
・スリーブは、柱面から原則として、1.5D以上離す。
・スリーブを梁に複数本設置する場合は、その中心間隔は、スリーブ径の3倍以上とする。
・スリーブの径が梁せいの1/10以下、かつ150mm未満のものは、補強を省略することができる。
補強が必要な場合の工事区分は特記仕様書による。(補強は建築工事なのが一般的)