断路器(DS)のしくみと点検方法です。
断路器とは
断路器はDisconnecting Switchといい、主にジスコン、DSと呼ばれています。
電路を開閉するためのもので、直接高圧負荷電流を開閉するものではありません。
断路器は、外部からその開路および閉路状態が明確にわかることから、キュービクルの
年次点検等の際に開放しておけば、万が一誤って遮断機が投入されても、感電などの
事故を防ぐことができます。
断路器の種類
V形断路器
V形断路器は、支持がいしがV形に配置されていることから小形となり、キュービクル用と
して多く使用されています。
3極連動単投形断路器
3極連動単投形断路器は、インターロック機能がある場合、断路器で負荷電流を
開閉するという誤操作を防止することができます。
断路器の選定方法
電流値が定格電流の90%以上となる場合は、一段階上の定格のものを選ぶようにしよう。
公称回路電圧6.6kVには定格電圧7.2kVのものを使用します。
定格電圧(kV) | 定格電流(A) | 定格短絡間耐電流(kA) | 備考 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7.2 | 200 400 600 |
12.5 | 公称回路電圧6.6kV には定格電圧7.2kV のものを使用する |
断路器の開閉方法
断路器は、負荷電流の開閉能力がありませんので、必ず無電圧を確認してから、
操作してください。受電中に操作するとアークなどが発生する可能性があるので危険です。
【開放操作】
断路器の操作はフック棒を使用します。フック棒の先端にあるフックを断路器のフック穴
に引掛けて、フック棒を手前に引いてブレードを開放します。
インターロック機能がある場合は、鍵で施錠されていますので、鍵を開錠してから、
金具をはずし、ジスコン棒(短いタイプ)を使用して開放します。
【投入操作】
フック棒の先端にあるフックを断路器のフック穴に引掛けて、
フック棒を前に押して、ブレードを投入します。
インターロック機能がある場合は、ジスコン棒を使用し、投入し、その後金具を
差し込み施錠してください。
断路器の点検方法
断路器の点検項目です。
点検項目 | 備考 |
---|---|
刃が正規の位置に入っているか | 刃の入り方が足りないと、過熱する |
安全クラッチが正確にかかっているか | 短絡時に発生する大きな電磁力や外部の振動などに よって、刃が開くことを防止する |
刃と刃受の接触部が過熱していないか | 過熱状態は、放射温度計、変色によって判断する |
刃と刃受の接触面に金属同時の摩擦による焼き付きはないか | 接触面を紙やすりでみがき、接点グリースを塗布する |
開閉操作は円滑か | 数回開閉器操作を行ない安全クラッチのかかり具合 刃の入り具合を見る |
支持がいしの き裂、損傷はないか | ー |
支持がいし表面に塵やほこり、塩分が付着していないか | フラッシオーバする危険がある |
支持がいし表面を清掃する | ー |
支持がいしの取付ボルトはゆるんだり、脱落していないか | ー |
配線接続端子部が過熱(変色)していないか | ー |
配線接続端子のボルトの増し締めチェック | ー |
配線相互間、電線と大地間との離隔は良いか | ー |
絶縁抵抗測定 | ー |