アース線が短く、コンセントに届かない時にアース線を延長する方法です。
簡単な方法と確実に接続する方法の2選を紹介します。
なぜアースが必要なのか?
アースは電気を逃がすために地面に埋めた電極のことで、電気機器と地面をつなぎ、人体が感電することを防ぎます。
電気を利用する際、常に感電の危険があります。
例えば、洗濯機の金属製ケース(外箱)は、通常は電気が通る部分ではありません。
しかし、内部のモーターや電気回路の絶縁が悪くなると、電気がケースに漏れる恐れがあります。
漏れた電気は、なるべく抵抗が小さいところを通って地面に流れようとします。
そこで、あらかじめケースと地面を導線でつないで電気が最も流れやすい回路を作っておくと、電気は人体ではなく、アースで地面に流れますので、感電を防ぐことができます。
簡単にアース線を延長する方法
アース線を延長する場合、電気工事士が無くても工事は可能です。
【用意するもの】
・アース線
・電線コネクタ(より線用、電線2本用)
・ニッパーまたはペンチ
アース線は緑色または緑/黄色のIV電線を用意します。太さは1.25mm2〜2mm2です。(ブレーカーサイズ20Aの場合)
電線コネクタは「より線」を接続できるタイプ(ワンタッチコネクター)で電線2本用を用意します。
※より線とは、細い銅線が束になっている電線です。
ニッパーかペンチどちらでも良いです。アース線の被覆を剥くときに使います。
【アース線の延長方法】
①家電から出ているアース線の先端の被覆を10mm〜12mmの長さでニッパーかペンチで剥きます。
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②延長するアース線の先端の被覆も同じように10mm〜12mmの長さで剥きます。
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③電線コネクタのレバーを上げて、アース線を差し込み、レバーを戻します。(電線差し込み口が2箇所あるので、2箇所にアース線を1本づつ差し込みます。)アース線を引っ張り抜けないことを確認します。
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④延長したアース線の別の先端の被覆も10mm〜12mmの長さでニッパーかペンチで剥きます。
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⑤コンセントのアース端子にアース線を取り付けます。
確実にアース線を延長する方法(抜ける心配がありません)
アース線をねじって延長する方法もありますが、時間が経つとゆるんできて抜ける恐れがあるのでおすすめしません。
今回は圧着スリーブを使用しアース線を接続する方法を紹介します。
【用意するもの】
・アース線
・リングスリーブ
・圧着ペンチ
・ニッパーまたはペンチ
・ビニールテープ(緑色が理想)
アース線は緑色または緑/黄色のIV電線を用意します。太さは1.25mm2〜2mm2です。(ブレーカーサイズ20Aの場合)
リングスリーブはアース線とアース線を接続する筒状のものです。サイズが大、中、小とありますが、今回は小を使います。
圧着ペンチはリングスリーブ用(握るところが黄色のもの)を用意します。
ニッパーかペンチどちらでも良いです。アース線の被覆を剥くときに使います。
【アース線の延長方法】
①家電から出ているアース線の先端の被覆を10mm〜12mmの長さでニッパーかペンチで剥きます。
↓
②延長するアース線の先端の被覆も同じように10mm〜12mmの長さで剥きます。
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③アース線2本の被覆を剥いた銅線部分にリングスリーブを差し込み、圧着ペンチのダイスの小の部分で、リングスリーブを挟み込みます。
ハンドルを最後まで強く握りこんで、リングスリーブに圧力を加えます。ハンドルは奥まで握りこむとロックが解除されます。
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④リングスリーブからはみ出た銅線はニッパーかペンチで切ります。
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⑤リングスリーブをビニールテープで巻きます。
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⑥延長したアース線の別の先端の被覆も10mm〜12mmの長さでニッパーかペンチで剥きます。
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⑦コンセントのアース端子にアース線を取り付けます。
この方法はまずアース線は抜ける恐れが無いのですが、圧着ペンチが高価なので、コストがかかるのがデメリットです。