高圧交流負荷開閉器(LBS)と電力ヒューズ(PF)のしくみと選定方法
点検方法です。
高圧交流負荷開閉器(LBS)とは
高圧交流負荷開閉器はLoad Break Swichと呼ばれ、略してLBSといいます。
高圧電路の負荷電流、変圧器の励磁電流、コンデンサ電流などを
開閉および通電し、その電路の短絡状態における異常電圧を投入できる、かつ
規定の時間通電できる装置です。
高圧交流負荷開閉器(LBS)の種類
気中負荷開閉器
気中負荷開閉器とは、電路の開閉が大気中で行われる開閉器です。
屋内用の負荷開閉器は、負荷電流の開閉、トランスの一次側開閉器用、
コンデンサの開閉等に使用されます。
電力ヒューズ付気中開閉器
電力ヒューズ付気中負荷開閉器とは、気中開閉器と電力ヒューズとを組み合わせたもので、
通常の負荷電流や過負荷電流は負荷開閉器で開閉し、短絡電流は電力ヒューズで遮断する
開閉器です。
高圧交流負荷開閉器(LBS)の選定方法
公称電圧6.6kVの受変電設備では、定格電圧7.2kVを選びます。
定格電流は、受電容量、通常負荷の変動、負荷の増設等を想定し、負荷電流の約2倍
のものを選定するのが望ましい。
電力ヒューズ(PF)とは
電力ヒューズはPower Fuseと呼ばれ、高圧回路および機器の短絡保護用として
高圧変圧器、高圧進相コンデンサなどの事故時の短絡しゃ断用に用いられるヒューズです。
電力ヒューズの選定方法
電力ヒューズの定格電圧は、使用する回路の最高線間電圧に一致したものとし、
公称電圧6.6kVの受変電設備では、定格電圧7.2kVを選びます。
電力ヒューズの定格電流は、一般に負荷の定格電流の最低1.5~2倍以上とし、
負荷の突入過電流でヒューズエレメントが溶断、劣化しないものを選定します。
高圧変圧器回路の電力ヒューズ
変圧器(kVA) | 単相変圧器(6.6kV) | 三相変圧器(6.6kV) |
---|---|---|
ヒューズ定格電流(A) | ヒューズ定格電流(A) | |
30 | 20 | 10 |
50 | 20 | 20 |
75 | 30 | 20 |
100 | 40 | 30 |
150 | 50 | 30 |
200 | 75 | 40 |
300 | 100 | 50 |
400 | 100 | 75 |
500 | 150 | 75 |
電力ヒューズ(PF)の点検方法
点検項目 | 備考 |
---|---|
ヒューズリンクにき裂はないか | ヒューズリンクにき裂がある場合はヒューズを交換 |
ヒューズリンク外面が変色、汚れていないか | - |
ヒューズ下部のしゃ断表示に異常はないか | - |
ヒューズリンクの定格銘板記載事項は確実に読み取れるか | - |
ヒューズリンクと接触保持片との接触部に損傷はないか | ヒューズリンクと接触保持片との接触部が荒れているときは、細目のやすりでこする |
支持がいしにひび割れ、欠けはないか | 支持がいしはやわらかい布で清掃する |
支持がいしに塩分、粉じんなどの異物が付着していないか | - |
電力ヒューズの交換方法
・ヒューズ溶断したら、残りのヒューズ全数を新しいものに交換する。
(予備ヒューズは三相回路3本、単相回路2本を一組とする)
・ヒューズ交換時は、必ず電源側しゃ断器を開放し、無電圧状態を検電して
から作業する。
・ヒューズの定格銘板記載事項を確認し、間違いないようにする。