雷保護システムの構成は、2つから成ります。
外部雷保護システム
外部雷保護システムは、雷電流を安全に大地に流すものです。
外部雷保護システムを構成するには、まず保護レベルを選定し、
受雷部を配置して、引下げ導線システムの引下げ導線間の
平均間隔を決定します。
保護レベルは、Ⅰ~Ⅳまであり、建築物の規模・種別、
落雷密度、環境条件などにより、選定する。
保護レベル | 保護効率 | 最小雷撃電流(kA) | 雷撃距離(m) |
---|---|---|---|
Ⅰ | 0.98 | 2.9 | 20 |
Ⅱ | 0.95 | 5.4 | 30 |
Ⅲ | 0.9 | 10.1 | 45 |
Ⅳ | 0.8 | 15.7 | 60 |
また、受雷部を配置するための方法には、回転球体法、
保護角法、メッシュ法があります。
受雷部の保護範囲は、従来一般建築と危険物関連貯蔵取り扱い施設
に対しての保護角の値が規定されていましたが、これまでの
落雷の状況や雷放電の研究結果により、この値では十分でないこと
が明らかになりました。よって、JEC6102-1においては
雷保護実績の高い回転球体法を主体に採用しているところから、
JIS A 4201:2003においてもこれに整合をさせて改訂しています。
保護レベルに応じた受雷部の配置
保護 レベル |
回転球体法 R(m) |
---|---|
Ⅰ | 20 |
Ⅱ | 30 |
Ⅲ | 45 |
Ⅳ | 60 |
保護 レベル |
保護角法 20m |
保護角法 30m |
保護角法 45m |
保護角法 60m |
保護角法 60m超過 |
---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | 25 | * | * | * | * |
Ⅱ | 35 | 25 | * | * | * |
Ⅲ | 45 | 35 | 25 | * | * |
Ⅳ | 55 | 45 | 35 | 25 | * |
保護 レベル |
メッシュ法 幅(m) |
---|---|
Ⅰ | 5 |
Ⅱ | 10 |
Ⅲ | 15 |
Ⅳ | 20 |
内部雷保護システム
内部雷保護システムは、被保護物内の雷の電磁的影響を低減する
ものです。
内部雷保護システムは、電子機器などの弱電機器の過電圧を避けるため、
建築物内の等電位ボンディング、遮へい、離隔、
SPD(Surge Protective Device:サージ防護デバイス)
接地などで対応します。
施工においては、等電位ボンディングバーやボンディング用導体、
SPDと雷保護システム、金属製工作物、被保護物内の電力・通信設備
を接続することにより等電位化を行います。