電線、ケーブル

VCTケーブルとは、CVケーブルとの違い、太さ、許容電流、施設方法

VCTケーブルはやわらかく、良く曲がるため、可動する機器に使用することが多いケーブルです。

VCTケーブルとは


VCTケーブルとは絶縁体・シース共にビニル(ビニール)で出来たキャブタイヤケーブルです。

VCTは柔軟性・耐水性・難燃性を有し、移動用として使用するのに適しています。

VCTは交流で600以下で使用できます。VCTFになると交流で300以下にしか使用できません。

使用用途は、ホイストクレーン、工場内配線、リフトのコントローラーなどの電源用や信号用の架空配線、現場での仮設配線、OAタップのケーブル等

【CVケーブルとの違い】
CVケーブルはVCTケーブルよりも硬いので、可動する機器の電源ケーブルとして使用するのは不向きです。
しかし、許容電流はVCTケーブルより大きいので、幹線、動力ケーブルに使われます。

【キャブタイヤケーブルの使用区分】

電線の種類 屋内 屋側、屋外
300V以下 300V超過 300V以下 300V超過
- ビニルキャブ
タイヤケーブル
× ×
- 耐燃性ポリオレフィン
キャブタイヤケーブル
× ×
2種 クロロブレン
キャブタイヤケーブル
× ×
クロロスルホン化ポリエチレン
キャブタイヤケーブル
× ×
ゴムキャブタイヤケーブル × × ×
耐燃性エチレンゴム
キャブタイヤケーブル
× ×
3種 耐燃性エチレンゴム
キャブタイヤケーブル
3種・4種 クロロブレン
キャブタイヤケーブル
クロロスルホン化ポリエチレン
キャブタイヤケーブル
ゴムキャブタイヤケーブル × ×

キャブタイヤケーブルにはいろんな種類があります。使用場所によって使用するケーブルを選びます。

【許容電流】

導体断面積(mm²) 許容電流値(A)
単心 2心 3心 4心および5心
100 315 250 215 195
60 225 175 150 135
38 165 130 110 100
22 120 97 83 75
14 88 72 62 56
8 61 51 43 39
5.5 50 41 35 32
3.5 38 32 27 25
2 26 22 19 17
1.25 20 17 15 13
0.75 15 12 11 10
周囲温度(℃) 35 40 45 50 55
低減率 0.91 0.82 0.71 0.58 0.41

周囲温度が上がると低減率は悪くなります。

VCTケーブルの施設方法、支持方法

・重量物の圧力または著しい機械的衝撃を受ける恐れがある場所に施設しないとこ。
ただし、その部分を電線管等で防護すれば問題ない。(防護菅の内部はケーブル仕上がり外径の1.5倍以上必要)
・防護用の菅の菅口はブッシングを取付け、ケーブルの引き入れまたは引き替え時に被覆を損傷しないようにする。
・キャブタイヤケーブルを造営材またはラックなどに沿わせて施設する場合は、支持点間を1m以下でサドルなどで固定する。
・隠蔽配線は、固定することが難しい場合は、ころがし配線とすることができる。

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